mandom - 株式会社マンダム

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Researcher Interviews研究開発者の声

基盤研究所 生理解析研究室 主事

1995年入社

1995年に入社し、15年以上スキンケア(皮膚科学)の基礎研究に携わる。化粧品業界の中でもいち早く男性肌の研究に着手し、「印象肌」などの独自のアプローチを見出す。育児や家事と、研究を両立させる“ママ研究者”でもある。

— 入社して23年経ちますが、これまでどのような研究を。

会社生活の15年以上を基礎研究、中でもスキンケア(皮膚科学)の研究に従事してきました。使用感などを測る官能評価のほか、肌の水分や皮脂、弾力、明るさなどを専用の機械で測定することで、効果効能を評価したり、その人の肌特性を把握したりして、商品の基盤となるデータを蓄積する。主にそういった仕事を長く続けています。

特に、マンダムは男性の肌の研究にいち早く着手し、男性特有の肌症状を明らかにするなど、独自の研究成果を数多く見出しており、その業務に携わってきました。

— 肌でも、“男性の肌“に特化した研究ですね。

そうです。私たちは20年近く前に、男性の肌の研究を本格的にスタートさせました。当時、女性の肌については他社がさまざまなデータや論文を発表していましたが、男性については体系的な研究がほとんど行われていなかったんです。例えば、加齢による肌のテカリやギラつきの原因を突き止め、その肌状態に対応した商品開発につなげることができました。

それだけではありません。男性はスキンケアへの意識が女性ほど高くないので、購入・使用のハードルが高いんです。ですから、マンダムは男性に使っていただくきっかけになるような“新しい切り口”の研究にも力を入れています。

— “新しい切り口”の研究ですか。

はい、その1つが「印象肌」の研究です。これまでは「乾燥しているから保湿する」といった症状・機能面からのアプローチが中心でしたが、「見た目の印象をアップできる」という従来とは全く異なるアプローチで研究に取り組んでいます。すでにこれまでの研究で、見た目の若々しい印象には肌の明るさが影響していることなどを明らかにし、実際に商品に応用しています。

男性にスキンケアの重要性を伝え、使っていただくにはどうしたらいいか。それを模索する中で生まれた、いかにも“マンダムらしい”アイデアと研究といっていいでしょう。

— 頭髪や体臭とは異なる、肌の研究ならではの難しさはあるんでしょうか。

スタイリング剤のように髪型を瞬時に変えられるのとは違って、スキンケアはすぐに効果が現れづらい面があります。ですから、長く使い続けていただくことが大事になります。

そのために、私たちが強くこだわっていることのひとつが、使用感です。例えば男性の場合は、ベタつく使用感を嫌うので、保湿力を高めながらもサッパリとした使い心地感を設計することがカギになります。

それと、使うことで得られるメリットをどう伝えるか。先ほど説明した「印象肌」のように、興味をもってもらうための情報提供が必要です。そのために私たちは、商品開発やマーケティング、広報など各部門と協力しながら、生活者に伝わりやすいアプローチを作り上げることにたくさんの力を注いでいます。

— 山口さんが考える生活者への“お役立ち”とは何でしょうか。

私は一貫して、スキンケアの官能評価や肌状態の変化などを“測定する”ことを長く専門的にやってきました。その経験から、測ることは商品への信頼感を高めることにつながると確信しています。

例えば、「テカリを防止する」といった機能が高いことを、測定によってを明確に打ち出すことができれば、生活者にとっては「これなら悩みを解決してくれるかもしれない」と、商品を納得して選びやすくなるはずです。そして、使い続けるうちにその悩みを解決することができる。そんな風にして生活者の満足につながれば、それは“お役立ち”になります。

— 入社当時の時代背景を考えると、女性が長く働き続けるのは大変だったのでは。

確かに、私が20年ほど前に入社した当時は、世の中の風潮として、女性は結婚や出産を理由に辞めるケースが多かったですね。産休・育休の制度なども、今ほど充実していたわけではなかったですから。ただ、その後は随分と女性社員を取り巻く環境が変わりました。現在の研究所スタッフの男女比は6:4ですが(非正規を含む)、女性社員は結婚・出産を経てもほぼ全員復帰していますよ。

私自身も子どもを育てながら長く働き続けることができています。制度の充実は言うまでもありませんが、先輩・後輩をはじめとする周囲のサポートに非常に助けられましたね。特に子どもが小さいときは、保育園で急に体調を崩したときもいつも嫌な顔ひとつせずに送り出してくれて、仕事のカバーもしてくれました。周りの理解とサポートがあったからこそ、ここまで長く続けてこられました。本当に感謝しています。

— 若い研究者を指導・育成する立場でもありますね。

その通りですね。人材育成は私の大きな役割になりつつあります。マンダムの研究者としては、「これは負けない」という自分の中の軸や、得意分野をもつことが重要ではないでしょうか。

振り返れば私も若い頃、上司に「将来、どんなことを専門にしたいのか」とよく言われましたよ。最初はなかなか答えを見つけられずにいたんですが、次第に「肌の評価を一番できる人になりたい」と言葉にできるようになりました。プロフェッショナルな領域をもつことは、研究者としての大きな自信につながります。

ただ、目の前の研究だけをやっていればいい、ということではありません。生活者のトレンドや市場環境、あるいは薬事規制など、そういった動きや情報もインプットした上で、専門領域を極める姿勢が必要です。幅広い視野と、専門的な視点。両方をバランスよく備えることが、マンダムの研究者として非常に大事なことなんです。

— これから、どんな研究に力を入れていきたいですか。

これまで明らかにされていなかった肌の構造や機能に関するメカニズムを解明したり、画期的な原料を探索するなどして、その研究成果を前面に押し出した商品を開発する。これまで以上に、そんなダイナミックな基礎研究の成果を実現させたいですね。もちろん、簡単なことではありませんが、近い将来どこか開花する瞬間を見据えて、今はその種を蒔きながら研究に打ち込んでいます。

(2019年3月現在の情報です。)