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大事な場面の、汗マネジメント

汗マネジメントとは・・・

マンダムは毎日を快適に過ごすために「汗をかきたいときは気持ちよくかき、汗をかきたくないときには正しいケアで汗を抑える」、つまり状況に応じて適切に汗をコントロールする「汗マネジメント」を提唱し、汗と上手に付き合う日常を提案しています。
ここでは、汗マネジメントに関するケア方法や研究情報など、日常生活に役立つトピックスを紹介しています。



マンダム社員が解説!
Interview01

マンダム社員が解説!
汗を適切にコントロールする「汗マネジメント」のメリット

夏の暑さをはじめ、スポーツを楽しんでいるときや緊張しているときなど、私たちの体はさまざまなシーンで汗をかきます。汗をかくことは健康な毎日を過ごすために欠かせない機能である一方、“抑えたいタイミング”があるのも事実。
そこで現在マンダムでは、正しいケアで発汗をコントロールする「汗マネジメント」という新習慣を提案しています。ここでは「汗マネジメント」のメリットや、汗に関する基礎知識について解説します。


約6割の人が汗による“見た目”への不安を感じている!

多くの人が抱える汗のお悩みについて、マンダム広報の根岸沙英さんに聞きました。

「肌がベタつく不快感や“におい”につながりやすくなることなどが、汗悩みの代表例です。そのほか、夏は“汗染み”が目立つグレーや水色の服が着られないという声も寄せられています。それらに加え、当社が2025年に行ったアンケートでは約6割の人が『大事な場面で汗によって困った/失敗したことがある』と回答しています。自分の汗が他人に悪い印象を与えるのでは、という不安を多くの人が抱えているのです」

アンケート調査結果グラフ

大人数が参加する会議での発表や、初対面の人に会うときなど“大事な場面”にかく汗が集中力を低下させることも。

「外見上の問題だけでなく、汗が気になって自らのパフォーマンスが十分に発揮できなかった、という経験がある人も少なくありません。年齢や性別に関係なく、こうしたお悩みを抱えている方は多いですね」

マンダムでは、汗のお悩みを解消する手段として「『汗マネジメント』の習慣化を提唱している」と根岸さん。

「『汗マネジメント』は、汗をかきたいときは気持ちよく発汗し、かきたくない過剰な汗は正しいケアで抑える、『状況に応じて適切に汗をコントロールする』という考え方です。汗は、私たちの体温調節に役立つだけでなく、スポーツをしたりサウナに入ったりしたときに出る汗からは爽快感が得られます。しかし、先述のように“汗を抑えたいシーン”では、状況に応じた適切なケアをして発汗をコントロールすることで、汗と上手に付き合う方法を提案しています」

根岸沙英さん

とくに最近は、夏の平均気温が毎年過去最高を記録し、35℃以上になる日も珍しくありません。酷暑のなかで汗の悩みを抱える人が増えていることからも「汗マネジメント」の必要性が高まっています。

「発汗を上手にコントロールできれば、プレゼンテーションや商談時など、プレッシャーがかかる場面での汗の不安が軽くなります。やるべきことに集中でき、パフォーマンスが向上して本来の実力を発揮できるのではないでしょうか。そういった大事な場面で、汗マネジメントのメリットを感じていただけるとうれしいです」


「なぜ汗は出るの?」暑さだけではない発汗の仕組み

つづいてマンダム研究員の久加亜由美さんに、汗の重要性と汗ケアの技術について聞きました。

「汗は進化の過程で獲得した大切な生命維持機能です。上がった体温を下げ、一定に保とうとする役割を担っています。汗を作る『汗腺』の種類は全身にある『エクリン汗腺』と、ワキの下や陰部などのごく一部にある『アポクリン汗腺』の2つ。そのうち、体温調節と緊張による発汗に関わっているのがエクリン汗腺です。体が暑さや緊張を感じると『アセチルコリン』という神経伝達物質が分泌され、汗腺の根元(にあるコイルの部分)が収縮します。汗腺が収縮することで、たまった汗をポンプのように皮膚表面上に押し出します」

こうした発汗の仕組みは、10年以上研究をともにしてきた大阪大学とマンダムの研究グループによって明らかになりました。
エクリン汗腺から出る汗は無臭で、サラッとした質感が特徴です。汗が蒸発する際に“気化熱”が発生し、体の熱を吸収して体温を下げるはたらきをします。

久加亜由美さん

「発汗にも2つの種類があります。ひとつは、体温を一定に保つためにかく『温熱性発汗』。もうひとつは、強いプレッシャーやストレスを感じたときに生じる『精神性発汗』です。どちらも汗が出る仕組みは同じですが、精神性発汗は気温の高さに関係しません。頭やワキの下、手のひらと足裏など限られた部位にかくことも『精神性発汗』の特徴ですね」

「暑くないはずなのに、汗が止まらない…!」そんな悩みを抱えている人は、精神性発汗をしている可能性が高いかもしれません。
発汗を抑えたい場合には、どのようにケアするのがベストなのでしょうか?

「精神性発汗と温熱性発汗のどちらの場合でも、汗を抑えたい日には事前のケアが重要です。外出する前のケアとして制汗剤を使用しましょう。精神性発汗の場合は、発汗の部位がある程度限られているので、汗をかきやすい部位にポイントを絞ったケアをおすすめします。また、汗をかいてしまった場合は、ボディペーパーで汗を拭きとってください。温熱性発汗の場合はボディペーパー使用後にハンディファンを使うと、より快適に汗を引かせることができます」


汗腺を眠らせる成分“GMA”で制汗技術は次のステージへ

生命活動に不可欠でありながら悩みのタネになりがちな「汗」。そのケア方法の主流となっているのが、制汗成分「ACH(クロルヒドロキシアルミニウム)」を使用した技術です。

「現在の制汗技術では、汗の出口にACHでフタをするというシンプルな仕組みで汗を抑えます。もちろん一定の効果はありますが、大量に汗をかくと“フタ”が外れてしまうため、効果の持続性に課題もあります」

長年、ACHが制汗技術の主流になっているなか、大阪大学とマンダムの研究グループは、「GMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)」で「汗腺を眠らせる」新たな制汗技術を確立しました。

「汗は汗腺が収縮することで皮膚表面上に押し出されます。つまり、この収縮運動を抑えることで根本的に汗の量を抑えることができると考えました。“汗を眠らせる”という発想です。さまざまな成分で実験を重ねた結果、“汗を眠らせる”GMAにたどり着きました。GMAを肌に塗ると、発汗量が通常時から4〜6割抑えられ、温熱性発汗と精神性発汗のどちらにも効果が認められました」

「GMAの発見は新たな制汗技術の可能性を広げるはず」と、久加さんは期待を寄せます。

皮膚断面イメージ

「今後は既存技術のACHと新技術のGMAを組み合わせて、持続性が高く、より効果的な制汗技術をご提案していきたいです。また、汗をかく仕組みが明らかになったので、制汗とは反対に“発汗を促進する技術”の開発にも力を入れていきます。たとえば、年齢を重ねると人は汗をかきにくくなり、熱中症のリスクが高まるという健康課題の解決に貢献する技術の開発にもつながるかもしれません。汗を抑えたいときにも、汗をかきたいときにもお役立ちできる技術の可能性を追求していきます」

マンダムでは、これからも汗の研究を深めつつ「汗マネジメント」に関する情報発信を通じて上手な汗との付き合い方をご提案していきます。
汗を適切にコントロールして、より快適な夏を過ごしましょう!


Profile

プロフィール

■ マンダム 広報部 主任 | 根岸 沙英
2018年入社。汗とにおい知見のPRを担当。実は社内でもトップクラスの汗っかき。リアルな経験をフル活用して、汗やにおいに悩む皆さんに「もう悩まなくていい!」と思ってもらえるような情報発信ができるよう奮闘中。
■ マンダム 先端技術研究所 ライフサイエンス研究グループ | 久加 亜由美
2008年入社。製品開発(ヘアスタイリング剤やスキンケア)を4年経験。2012年より体臭研究に携わり、デオドラントの基礎研究として、汗・におい、殺菌や消臭などについて研究を進めている。臭気判定士資格を2015年に取得し、体臭研究に生かしており、発汗やにおいのメカニズムから、対処法まで幅広く語れる。脇汗をリアルタイムで測定できる評価系を確立したことで、制汗研究を拡張させた。
“汗が気にならないこと”が集中力を高める?
Interview02

“汗が気にならないこと”が集中力を高める?
「汗マネジメント実証実験」で見えてきた可能性

汗は人の体に備わった大切な体温調節機能です。しかし、重要なプレゼンなど、プレッシャーを感じる場面では「汗の量を抑えたい」という方も多いのではないでしょうか。緊張からくる汗は「精神性発汗」と呼ばれ、悩みの種にもなっています。
マンダムのアンケート調査(※)でも「ご自身の普段のパフォーマンスを100%とするとき、汗が気になってしまう時のパフォーマンスは何%になると感じますか」という質問に対して、8割の人がパフォーマンスの低下を感じると回答しました。ここでは、マンダムが行った実証実験をもとに“汗とパフォーマンス”の関係について考察します。


GMAを用いた「汗マネジメント実証実験」

2025年3月に杏林大学名誉教授 古賀良彦氏の監修のもと、マンダムが実施した「汗マネジメント実証実験」では、GMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)を配合したサンプルを用いて、汗の抑制とGMAを含む制汗サンプルの作用機序説明による安心感がパフォーマンスに及ぼす影響を検証しました。

GMAとは?

・大阪大学とマンダムの共同研究グループが発見した新たな制汗成分
・漢方薬などに使われる「甘草」に含まれるGMAは、汗腺を一時的に眠らせて、発汗量を通常の4〜6割ほどに軽減させる作用がある
・暑さが原因の「温熱性発汗」だけでなく、緊張やストレスで生じる「精神性発汗」を抑える作用が認められているのも特徴です

※ 2023年10月25日プレスリリース「発汗時の汗腺の収縮メカニズムの解明と、新たな制汗成分を発見 ~IFSCC2023でポスター部門最優秀賞 受賞~次世代制汗剤の開発や発汗機能障害の研究への応用に期待」

汗とにおいに関する調査

どんな実験?

・被験者:23~43歳の男性9名
・被験者条件:精神的負荷により多量に発汗するという自覚がある(多汗症の既往のある者・治療中の者は除く)/心肺機能の障害がない/右手利き/非喫煙者/鼻炎の症状がない/服用している常用薬がない/薬品等のアレルギーを有しない
・実験条件:被験者はスーツ着用、エアコン設定温度30℃の環境下で実施
・実験詳細
被験者には、GMAの制汗の作用機序を説明した上で、GMA処方サンプルを両ワキの下に塗布した場合と塗布しない場合、それぞれで次の2つの課題に取り組んでもらいました。
【課題1】プレゼンテーション課題
被験者自身の仕事と最近の関心事について、それぞれ90秒間のプレゼンテーションを実施。
【課題2】計算課題(内田クレペリン検査(変法))
1~9までのランダムな数字を羅列しておき、隣り合う数字の合計の下1桁を順に記載し続けるテストを実施。原法とは異なり、5分間のみ施行。

▼実証実験の詳細はこちら▼


パフォーマンスに好影響――「GMA処方サンプル」が示した4つの効果

今回の実証実験で4つの結果が得られました。

①発汗量測定:汗の量が減少

まず、未使用のTシャツの重さを量り、被験者は下着としてそのTシャツを着用。それぞれの課題を行ったのち、再びTシャツの重さを測ったときの差を「発汗量」として測定します。
非塗布時の平均発汗量は約4.2gであったのに対し、GMA処方サンプル塗布時の平均発汗量は約1.9gであり、GMA処方サンプルの発汗抑制効果が認められました。また、Tシャツの汗染みにも、差がはっきりと表れています。

<Tシャツの汗染み比較画像>

GMA処方サンプル無条件のTシャツの汗染み
GMA処方サンプル無条件
GMA処方サンプル有条件のTシャツの汗染み
GMA処方サンプル有条件

<プレゼンテーション中の脳血流変化量>

プレゼンテーション中の脳血流変化量

<プレゼンテーション中の脳血流変化画像>

プレゼンテーション中の脳血流変化画像

<計算課題中の脳血流変化量>

計算課題中の脳血流変化量

<計算課題中の脳血流変化画像>

計算課題中の脳血流変化画像

②脳機能測定:前頭葉※の脳血流変化量が増加

専用の機器で、プレゼンテーション課題と計算課題時の前頭葉の脳血流変化量を測定しました。その結果、2つの課題のどちらもGMA処方サンプル塗布時の脳血流変化量が、非塗布時よりも増加しました。つまり、発汗の抑制とその安心感によって脳の知的な機能が活性化したと考えられます。

※前頭葉は記憶、注意、判断、行動の制御など、高度の認知機能をつかさどる重要な部位

③心理検査:快適さ・意欲に好影響

心理検査はVAS(visual analog scale)法による心理状態の主観的評価を行いました。VAS法は、長さ100mmの線分の左右に対照的な心理状態を記載し、被験者自身が自分の心理状態に近い位置にチェックを入れる方法です。
今回は「快適度」や「やる気」など、全15項目の心理状態を評価してもらいました。その結果、ほとんどの項目でGMA処方サンプルを塗布した条件で、サンプル非塗布の評価を上回ったのです。発汗の抑制とその安心感による情緒や意欲への好影響がうかがえます。

プレゼンテーション中の心理状態(VAS) グラフ
クレペリンテスト中の心理状態(VAS) グラフ

④計算課題:集中力と正確さが向上

被験者が受けた「クレペリンテスト」の達成数と正答率を見ていくと、GMA処方サンプル非塗布の条件に比べてサンプル塗布の達成数は平均で40問多く、正答率も0.3%アップしました。この結果から発汗の抑制とその安心感は「計算力の向上」にもつながる可能性が示されました。

クレペリンテストの回答数
クレペリンテストの正答率

また、被験者からは「汗が全然出なかったので集中できた感覚があります」とのポジティブな声が多く寄せられ、汗ケアのメリットを実感していただけたようです。


学習の効率化や生産性アップも見込める? 広がる汗マネジメントの可能性

実験の監修をしていただいた、杏林大学 古賀良彦名誉教授は「汗マネジメント実証実験」の結果について、次のように考察します。

「今回の実験は、GMA処方サンプルの制汗効果を精神生理学的に検証したものです。結果として、GMA処方サンプルの制汗効果は心理的なストレスを軽減するばかりでなく、前頭葉機能を活性化し、パフォーマンスの向上をもたらすという知見が得られました。少数例を対象とした測定という条件は付さねばなりませんが、用いたGMA処方サンプルは制汗作用を通して、認知から行動に至る情報処理のプロセスにポジティブな効果をもたらす可能性があることを示唆する結果と言えるでしょう。今後、研究をさらに発展させることにより、日常の生活の中でGMA処方サンプルが幅広く用いられ学習の効率化や仕事の生産性の向上に貢献できるようになることを期待しています」


Profile

プロフィール

■ 古賀良彦名誉教授
杏林大学名誉教授。医学博士。慶應義塾大学医学部卒業。杏林大学医学部主任教授を経て現職。
専門分野は精神障害の精神生理学的研究。香りや食品、塗り絵や折り紙が脳機能に与える効果の脳波や脳機能画像による研究にも造詣が深い。
古賀良彦名誉教授

コロナ禍を乗り越えた今、私たちの生活にも“対面の機会”が戻ってきました。とくにプレゼンテーションや商談など、高い集中力を求められ緊張しやすい場面で「精神性発汗」に悩む人も増えているでしょう。今回の汗マネジメント実証実験は、そんな汗との付き合い方が変わるヒントになりそうです。
汗マネジメントを身につけて勝負に臨むと、緊張しやすい大事な場面でも自分らしいパフォーマンスが発揮できるのではないでしょうか。

マンダムではこれからも、より多くの汗に悩む生活者が汗を上手にコントロールして快適に働けるようサポートを続けていきます。

心理学で解き明かす!汗とビジネスパフォーマンスの意外な関係
Interview03

心理学で解き明かす!
汗とビジネスパフォーマンスの意外な関係

コロナ禍を経て“対面”の機会が戻ってきました。ビジネス面では相手と直接会って重要なプレゼンテーションや商談を行うシーンが増え、オンラインでは伝わりにくかった熱意や誠意を表現できるようになったのは大きな利点です。こうした場面で身だしなみが整っていると、相手に好印象を与え信頼を得やすくなります。その一方で、緊張や不安を感じやすいといった対面ならではの弱点も……。
対面機会が増えると季節を問わず、汗の悩みにもつながります。緊張や不安からくる「精神性発汗」、そして暑さから身を守るために生じる「温熱性発汗」。この2種類の汗は、仕事のパフォーマンスに少なからず影響を及ぼしているのです。
そこで今回は『汗と仕事のパフォーマンスの関係』について、さまざまな観点から紐解いていきます。


暑いだけじゃない! フォーマルな服装が汗に与える影響

マンダムは、20〜50代の男女を対象に調査を実施しました。『2024年〜2025年はコロナ禍に比べて人と対面する機会が増えた』と感じている人のうち、57.0%が『ジャケットやきちんとした服装を着ることが増えた』と回答しています。とくに20〜30代の男性はビジネススタイルに変化が見られ、フォーマルな服装を選ぶ傾向にあるようです。

調査結果グラフ

あまり着慣れていない服や大事なシーンで『いつもより汗を多くかいた経験がある』と答えた人は50.6%。人前でのプレゼンテーションや大事な商談、その際に着用する“服”など、慣れない状況や服装が緊張汗につながっていることがわかります。

調査結果グラフ

また、調査では『自分の汗が気になったことがある』と答えた人が61.8%にのぼり、『相手の汗が気になったことがある』と回答した人も49.2%に達しています。
汗は体温を調節する重要な役割があるとわかっていても、悩みにつながることもあるようです。

多くの人がビジネスにおける大事なシーンで汗が気になっているものの、汗対策に対する満足感について聞くと『正しい対策がわからない』という声が多くあがりました。

調査結果グラフ

これらの結果から、汗について具体的な対策ができず悩んでいる人が多いことが明らかになりました。


汗とメンタルの関係――汗の心配がさらなる発汗につながることも

ビジネスパーソンの困りごとになっている汗は、仕事のパフォーマンスに影響するケースもあるそうです。
心理学の専門家の晴香葉子先生にお話を聞きました。

Profile

プロフィール

■ 晴香葉子(はるかようこ)
心理学者・コミュニケーション学の専門家。早稲田大学オープンカレッジ心理学講座講師。東京都出身。文学修士。博士課程単位取得。日本心理学会、日本産業ストレス学会、他所属。企業での就労経験を経て心理学の道へ。研究を続けながら講演、執筆、解説などの活動を続けている。
晴香葉子(はるかようこ)

「汗は体温調節に欠かせない生理現象なだけでなく、スポーツやレジャーでかく汗からは爽快感も得られて“いい記憶”として残ります。しかし、プレゼンテーションや商談などプレッシャーから生じる汗は、不快感や不安につながりやすいのが特徴です。汗で髪型やメイクが崩れるなど見た目の問題に加え、緊張で口の中が渇くと喋りにくさも感じます。心の不安感が汗に表れているときは、総合的に見てもベストコンディションに持って行くのが難しい状態です」

夏場は、屋外でかいた汗が引かず『その後の商談やプレゼンテーションに集中できなかった』という経験がある人もいるはず。夏は温熱性発汗と精神性発汗の両方が悩みの種になりやすい季節なのです。

「人前に立つ場合や初対面の人に会うときは、誠意を示すためにもフォーマルな服装が理想ですが、汗をかきやすい服装でもあります。そして、汗をかいている姿は“自信のなさ”や“焦り”などの印象を相手に与えかねません。なかには『汗をかいていると気づかれたくない』という不安によって、余計に汗をかいてしまう人もいますね」

また、汗に不安を感じる人には共通点があるそうです。

「礼儀正しくマナーを重んじる人は、自分の汗に対しても心配を抱えやすい傾向があります。内向的な人も『自分の汗やにおいが、他人に迷惑をかけているかもしれない』という不安に襲われがち。周りは気にしていなくても本人は悩んでいる、という悪循環に陥ってパフォーマンスが低下してしまうのです」

重要なビジネスシーンにおいて、汗の悩みはすぐにでも解決したい課題と言えます。しかし、視点を変えると“適切な汗ケア”をすれば、本人のメンタルやパフォーマンスにも好影響を与えると、晴香先生は話します。

「ケアによって汗やにおいをコントロールできると、不安要素がひとつ消えますよね。さらに、自分で考えた汗対策で発汗を抑えられると、小さな成功体験が積み重なり『自分はやればできる』と実感して自己効力感が高まります。本人がポジティブになるとパフォーマンスが上がり、周囲にも自信が伝わるのです」

汗の状態が良好であれば、自分自身も心地よくパフォーマンスが発揮できる、まさに一石二鳥の方法です。

「本来、対面で行う商談やプレゼンテーションは、オンラインに比べて表情や身振り手振りで気持ちを表す“ノンバーバルメッセージ”が伝わりやすいというメリットがあります。汗の心配がなくなり、実力を発揮できれば対面の強みを十分に活かせるはず。これからはセルフコントロールのひとつとして、本格的な汗ケアを取り入れてみてください」


マンダムが提唱する新習慣「汗マネジメント」

汗腺研究を行うマンダムでは、汗と上手に向き合うための新習慣、『汗マネジメント』を提唱しています。これは、サウナやスポーツなど汗をかきたいときは汗を出し、プレゼンテーションなどの大事な場面では適切なケアで汗を抑えてコントロールするという考え方。

ビジネスシーンに『汗マネジメント』を取り入れることで、夏の暑さや緊張しやすい大事な場面における汗のコントロールが可能になれば、自分らしいパフォーマンスを発揮できるかもしれません。

この汗マネジメントの強力なサポーターとなるのが、マンダムが大阪大学との共同研究で確立したGMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)で「汗を眠らせる」という新技術です。

『温熱性発汗』と『精神性発汗』、両方の汗を抑える効果が実証されており、従来とはアプローチが異なる制汗技術として、新たなお役立ちの可能性があります。今後もマンダムでは、汗にまつわるお悩みを解決し、快適な生活をサポートするため、汗腺研究に注力してまいります。

「汗とにおいに関する調査」概要
・調査手法:インターネットリサーチ
・調査時期:2025年3月14日~3月17日
・調査対象:20~59 歳/男女/n=1,000(マンダム調べ)

マンダム営業担当者が伝授!
Interview01

マンダム営業担当者が伝授!
「汗マネジメント」のメリットとは?

気温が上がるとともに、街には日傘やハンディファンで暑さをしのぐ人の姿が増えています。例年、猛暑が続く日本では、夏になるとカジュアルな服装で働ける企業も多くありますが、商談やプレゼンテーションなどフォーマルな場では、ジャケットの着用を求められることも。そんなときに気になるのが「汗」。とくに屋外で人に会う機会の多い方にとって、汗との付き合い方はまさに日々の課題です。
今回は、マンダムの営業担当者・Tさん、Oさんが実践する“汗マネジメントテクニック”をご紹介します。


夏の「営業あるある」な汗の失敗談

Tさんも「夏の営業活動は気を使う場面が多い」と話します。

Tさん)
「商談では、実際に取引先様のオフィスや店舗に足を運び、新商品や店頭づくりをご提案します。やはり、制汗剤やスキンケア商品などの化粧品を扱う“マンダムの代表”としてお伺いしているので、清潔感や身だしなみは自社商品の印象と直結していると考えています。それでも、だらだらと汗をかいた状態で、取引先様とお会いして『お世話になっています』と言わざるをえなかった、という“夏の営業あるある”に陥ることも……。屋内においても、緊張する場面では季節を問わず汗をかくことがあります。特にプレゼンテーションの時は、自分の発表を上司が見ていると、より緊張して普段以上に多く汗をかいてしまいますね」

夏の「営業あるある」な汗の失敗談

Tさんが言うように、営業職は暑さによる「温熱性発汗」と、緊張やプレッシャーが原因の「精神性発汗」のどちらも生じやすい職種。過剰な汗は、ビジネスパーソンにとって解決したい悩みのひとつでもあるのです。


マンダムの営業担当者が愛用している“制汗アイテム”とは?

そうした日々のなかで「汗をケアするアイテム」は、Oさんにとって欠かせない仕事の相棒になっていると言います。

Oさん)
「夏は汗を拭くボディペーパーは必ず持ち歩き、移動中はメイクが崩れないように顔汗シートやハンディファンを使います。外回りが多い日は着替えもカバンに入れていますね。外出前は、ロールオンタイプの制汗剤を両ワキに塗り、スプレータイプの制汗剤は背中に使用するのがいつものルーティンです」

マンダムの営業担当者が愛用している“制汗アイテム”とは?

TさんとOさんはさらに、マンダムが提唱する「汗マネジメント」のテクニックも取り入れています。「汗マネジメント」とは、汗をかきたいときには気持ちよくかき、汗を抑えたいタイミングでは正しいケアで発汗をコントロールするという新習慣です。


汗マネジメントテクニック

勝負の時の汗マネジメントテクニック
  1. TECHNIQUE01
    朝だけでなく、夜寝る直前に制汗ロールオン

    お風呂上がりの寝る前にロールオンの制汗剤を両ワキに塗り込んで、寝ている間の汗ケアに。

    Tさん)
    「一日のなかで体がもっとも清潔なのはお風呂上がりのタイミングです。しかし、就寝中に『寝汗』をかいてしまうと、翌日のにおいの原因につながりやすくなります。寝汗を抑えつつ、翌日の汗とにおいケアを効果的にするためには、寝る前のケアが肝心です」

  2. TECHNIQUE02
    ロールオンは、二の腕中間からワキ腹まで広範囲に塗布!

    ワキの中心以外にも汗腺は広がっています。ロールオンタイプの制汗剤はワキの中心だけでなく、二の腕からワキ腹まで塗りむらがないように幅広く塗布するのがポイントです。

    Oさん)
    「塗ったあとはしっかり乾かしましょう。乾く前に衣服に触れると、有効成分が摩擦でとれてしまいます。乾かしながら、ワキにしっかりと密着させてください。朝は、ヘアスタイリングやメイクなどの前にロールオンを塗り込んでおくと、効率的に朝の身支度ができますよ」

  3. TECHNIQUE03
    ボディペーパー✕ハンディファンの合わせ技で効率的にクールダウン!

    ボディペーパーで汗を拭いたあとにハンディファンで風をあてると、水分の蒸発で熱が奪われて効率的にクールダウンできます。太い血管が通る部位である首元に行うと、冷感がさらにアップして汗が引きやすくなります。

    Tさん)
    「屋外から屋内に入ったタイミングで汗が吹き出すという方も多いのではないでしょうか。この方法は屋外での対策として有効ですが、涼しい屋内でもこの方法を実践すると、効率的にクールダウンして汗が気持ちよく引いていきます。たとえば、商談で先方のオフィスに入る直前か、約束の時間前に屋内で行うのがおすすめです」

    ボディペーパー✕ハンディファンの合わせ技で効率的にクールダウン!
  4. TECHNIQUE04
    対処したい悩みにあわせて汗対策をする

    汗対策はアプローチ方法が多数存在するため、自分のお悩みやシーンにあわせて選ぶことが重要です。
    例えば・・・

    ・汗のべたつきが気になる
    ⇒パウダー配合の制汗スプレーやボディペーパーを使用すると、パウダーが汗や皮脂を吸着してサラサラに!

    ・ニオイが気になる
    ⇒ニオイのもととなる菌の繁殖と汗を防ぐため、殺菌成分と制汗成分配合で密着力が高いロールオンなど直接塗るタイプの制汗剤がおすすめ!

    Oさん)
    「取引先様とお会いする日には『朝の仕込みのケア』が私のおすすめ。とくに汗とにおいが気になりやすく、汗染みも目立ちやすいワキには、ロールオンなどの密着度が高い制汗剤でケアをするのが効果的です。大事な場面でも汗染みやにおいを気にせず、ベストなパフォーマンスを発揮できます」

夏本番を迎えて、汗ケアもさらに本格化していきます。

Tさん)
「高温多湿な日本の夏は、屋外に出る私たちにとって過酷な季節ですが、発汗による体温調節のおかげで元気に仕事ができているのも事実です。汗の恩恵を受けつつ、大切なプレゼンテーションや商談のときに汗の量をコントロールできれば、より集中できて仕事のパフォーマンスも上がるはず。汗マネジメントを生活に取り入れて、一緒にがんばりましょう!」

夏本番を迎えて、汗ケアもさらに本格化

「GMA」が汗マネジメントをサポート

マンダムでは、みなさんの「汗マネジメント」をサポートするため、汗やにおいの研究を行っています。2023年に共同研究グループが制汗効果を見出した成分・GMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)は、制汗技術に新たな可能性を示しました。

こうした制汗研究に加えて「汗マネジメント」の啓発活動にも力を入れています。7月8日を「汗マネジメントの日」に制定し、企業向けに「汗マネジメント研修」やセミナーを実施。さらに、オウンドメディア「汗とにおい総研」での情報発信などを通して、汗と上手に付き合うコツをご提案していきます。

多くの人が、日々の暮らしのなかで汗とよりよい関係を築けるように――。マンダムの「汗マネジメント」は、ビジネスパーソンが快適に働くための選択肢を広げる手段でもあるのです。