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ステークホルダー・ダイアログの取り組み 2019.02.19

WWFジャパンさまにご協力いただき「サステナビリティ勉強会」と「ダイアログ」を開催しました。

 2018年12月18日(火)、国際的な環境問題とグローバル企業の動向に詳しい有識者の方々にご協力いただき、本社にて「サステナビリティ勉強会」と「ダイアログ(対話・意見交換)」を開催しました。

 今回の取り組みは、以下のマンダムグループ考働原則、マンダムグループCSR重要課題(第2版)、および国連グローバル・コンパクト(UNGC)の10原則、グローバル企業として尊重すべき国際行動規範や国際的枠組みへの対応と具現化を目的として開催いたしました。

~マンダムグループ考働原則~
 社会との共存・共生・共創mandom_ci.jpg

~マンダムグループCSR重要課題(第2版)~
 課題No.06 「製品・サービスの環境配慮」
 課題No.07 「脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進」
 課題No.08 「生物多様性の保全」
 課題No.09 「循環型社会形成の推進」
 課題No.13 「新しい社会のパラダイムの感知と貢献」
 課題No.14 「社会との価値共創の実現」

~国連グローバル・コンパクトの10原則~
 原則07 「企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持すべきである」
 原則08 「企業は、環境に関するより大きな責任を率先して引き受けるべきである」
 原則09 「企業は、環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである」

~持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)~
 目標12 「つくる責任つかう責任」
 目標13 「気候変動に具体的な対策を」
 目標14 「海の豊かさを守ろう」
 目標15 「陸の豊かさも守ろう」
 目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」

~コーポレートガバナンス・コード(東京証券取引所 2018年6月改訂版)~
 基本原則2 「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」


 サステナビリティ勉強会では、国際的な環境NGOであるWWFジャパンの池原庸介さまにご協力いただき、「サステナビリティ(持続可能な社会の実現)をめぐる国際社会の潮流と企業に期待される対応~脱炭素社会に向けて企業はどのように取り組んでいくべきか~」をテーマにした講演会を実施し、社員64名が参加しました。


公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
自然保護室 気候変動・エネルギーグループ プロジェクトリーダー 池原庸介さま

企業で環境関連の業務に従事した後、英エディンバラ大学で気候変動科学の研究に従事。
2008年より現職。企業の温暖化対策ランキングプロジェクトなどを通じ、主に気候変動分野における企業協働に取り組んでいる。
グリーン電力証書制度諮問委員。法政大学人間環境学部非常勤講師。


 今回の勉強会の直前(2018.12/2~14)にポーランドでCOP24(国連気候変動枠組条約第24回締約国会議)が開催され、パリ協定の詳細なルール(実施指針)が採択されたこともあり、池原さまのご専門である気候変動対策の分野について、国連や各国政府、国際的なNGOや企業の動向など最新情報も含めて解説をいただきました。

 また、気候変動対策・脱炭素社会の実現に向けた課題とともに、わたしたちの事業活動を支えているパーム油や紙、段ボール等の供給源である森林資源の保全など、自然資本の持続可能性に向けた国際的な取り組み(RSPO、FSC)や、最近、最も注目されているプラスチック問題についても解説をいただきました。
 特に、プラスチック問題については、洗顔料などに含まれるマイクロプラスチックビーズ、ストローやレジ袋、ペットボトルなどによる海洋汚染の問題が報道されていますが、これらの問題の背景にある増え続けるゴミの問題や資源ゴミ、プラスチックゴミのリサイクル処理の国内外の実情、「減プラスチック社会への転換」や「循環型経済(サーキュラー・エコノミー)」を目指した国際社会の動きについての解説は、非常に興味深い内容でした。

 勉強会の最後には、具体的な企業事例やそれらを支援・評価する官・民協働による国際的な取り組みなどを紹介いただきながら、企業の取り組みにおいて重視されている3つのポイント、「長期ビジョンと野心的目標(チャレンジ)」を広く社会に向けて発信することの意義やメリット、「バックキャスティング」などについて解説いただきました。

~企業の取り組みにおいて重視されている3つのポイント~

  1. 長期的なビジョンと削減目標を打ち出しているか?

  2. 製品・サービスのライフサイクル全体で排出削減に取り組んでいるか?

  3. 再生可能エネルギーの活用、普及に積極的であるか?


 講演会の終了後、 WWFジャパンの池原さまに加えて、BASFジャパンの加納潤子さまにもご参加いただき、弊社の環境推進分科会のメンバーを中心とした社員とのダイアログを行いました。


BASFジャパン株式会社 経営推進本部 経営推進室 加納潤子さま

BASFジャパン化粧品技術サービスラボにて処方開発・性能評価に従事した後、パーソナルケア製品マーケティングを担当。2013年よりケア・ケミカルズ事業部アジアパシフィック地域のサステナビリティ担当としてBASF 東アジア地域統括本部(香港)に駐在。2016年、BASFジャパン経営推進本部ジャパンイノベーションチームに帰任。2018年より、BASFジャパンのサステナビリティ戦略&プロジェクトに従事。
BASFは、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く化学企業。2018年9月の国連グローバル・コンパクトのリーダーズサミットにおいて、「国連グローバル・コンパクト・リード企業」および「SDGパイオニア」として認定されたほか、2018年11月にはCO2排出量増加を伴わない高収益成長を目指す新たな企業戦略を発表。


~ダイアログ参加社員~

 購買部 購買開発課 塩見祐子
 購買部 購買開発課 江藤慎一郎
 技術開発センター 包材開発室 室長 山崎貴史
 技術開発センター 技術管理室 汐見悦志
 福崎工場 次長 太田旬一
 商品企画部 大谷希理加
 総務部 課長 渡邉善弘
 CSR推進部 CSR推進室 西山 掌(司会進行)

~オブザーバー~

 取締役 北村達芳
 執行役員 技術開発センター 所長 椿原 操
 購買部 部長 村治得人
 総務部 部長 木田 厚
 CSR推進部 部長 前川貴志
 福崎工場 生産業務課 内田典克
 技術開発センター 包材開発室 谷 修治 ... ほか

 ダイアログでは、「長期ビジョンと野心的目標」や「バックキャスティング」に焦点を当てた対話・意見交換を行い、さまざまなアドバイスをいただきました。
 冒頭にWWFジャパンの池原さまより、再度、長期ビジョンと野心的目標を企業の姿勢として広く社会に発信する意義やメリットについて、実際の企業事例をもとに前半の勉強会よりもさらに詳しい解説をいただきました。
 また、BASFジャパンの加納さまからは、同社が2018年11月に国際社会に向けて発表した企業戦略の背景や目的、企業戦略の達成とサステナビリティの実現との両立に向けた現場での実務などについてご紹介いただきました。
 参加した社員からは、「現状では不可能と思われる野心的目標を設定して広く社外に発信する意義と目的がようやく理解できた」、「他社が2050年のような超長期の目標を策定し次々と公表している状況と背景がわかった」、「技術革新やイノベーションに必要なこと、社外の多様なステークホルダーとの共創関係の重要性が理解できた」などのコメントがありました。


 バックキャスティングとは、「将来のあるべき社会の姿を想定し、そこから現在を振り返ることで、そこに辿り着くために今後必要となる行動を考え実施する手法」のことで、スウェーデンの環境NGOナチュラルステップが提唱したものです。
 「将来のあるべき社会の姿」を目指した社会・環境課題の解決やサステナビリティの実現に向けて設定される野心的目標は、自分たち(例えば弊社)だけでは達成できません。長期ビジョンと野心的目標に「チャレンジ」する企業として、その姿勢を広く社会に打ち出すことにより、企業は、社会から認識され、評価・支持され、サプライヤーや取引先、研究機関、NGOなどを含めた多様で幅広いステークホルダーの皆さまとの共創関係が生まれ、不可能を可能にするイノベーションの創出に向けた協働体制に繋がります。

 今回のサステナビリティ勉強会とダイアログは、環境課題の解決に向けた国際的な取り組みと長期ビジョンからバックキャストした野心的目標を社会と共有する意義について理解を深めるとともに、マンダムグループの考働原則である「チャレンジ・チェンジ・イノベーション」、「社会との共存・共生・共創」の実現に向けて、今から何をすべきかを考える良い機会になったと思います。
 CSR推進部では、CSRの基本考働である外部との対話・意見交換を通じて、今後も、多様で幅広いステークホルダーの皆さまからの期待・要請に応えるCSR推進とサステナビリティの実現に努めてまいります。

 ご協力いただきましたWWFジャパンの池原さま、BASFジャパンの加納さま、ありがとうございました。


[コメント] WWFジャパン 池原庸介さま

 世界がパリ協定の下で『脱炭素社会』を目指し取り組みを加速させる中、その動きを強力に後押ししているのがESG投資といえます。かつてはコストと見られることもあった環境対策ですが、近年はむしろ本業においてもサステナビリティを落とし込んでいる企業が評価されるようになっています。
 マンダムグループでは、トップのメッセージとして、「これまでの積み重ねや従来のやり方だけでは未来を見出すことは困難であり、自らが未来を作り出すこと」の重要性を伝えています。その意味で、「考働レポート」は望ましい未来を社内外のステークホルダーとともに具現化していくためのツールと見ることもできます。既に創業100周年(2027年)を見据えた新しい企業理念とビジョンを発表し、環境分野での目標も策定するなど、着々と取り組みが進んでいると感じます。
 今後はさらに時間軸を延ばし、2050年やそれ以降といったより長期の視点で自社がどうありたいと考えるのか、本業やESG要因における「あるべき姿」を描いていただきたいと思います。そして、そこからのバックキャスティングによって導かれる結果と2027年目標を照合し、必要に応じて後者を軌道修正することも大切です。「あるべき姿」を描く際は、今後生じ得る気候関連リスク等に照らし合わせ、将来の各時点において、事業構成や製品のラインナップは今のままでよいのか、使用する原材料やエネルギーは今のままでよいのか等々、全社的な議論が望まれます。
 長期でのビジョン・目標は、一度策定すれば終わりではなく、国内外の最新動向を踏まえて数年に一度は妥当性を再点検する必要があります。前提となる科学の知見は時とともにアップデートされ、ステークホルダーからの要求、期待値も変化していくからです。今後もぜひ「社会との共存・共生・共創」の考働原則に従い、ステークホルダーとの対話を続けていただければと思います。


[コメント] BASFジャパン株式会社 経営推進本部 経営推進室 加納潤子さま

 サステナビリティは事業を行う上での基本となっています。例えば、国際的な取り組みである気候変動対策のような長期的課題はビジネスという仕組みがあってこそ、真に解決することができるものです。
 サステナビリティ経営の推進は戦略と組織、そして社内外でのダイアログがカギとなりますが、なかなか容易には進みません。BASFも何十年という月日をかけてサステナビリティへの取り組みをし続けてまいりましたが、各地域・国で発足している気候変動対策・脱炭素社会にむけた課題、プラスチック問題・海洋汚染問題などの国際的な取り組みに関するイニシアチブやアライアンスへの対応など今現在の大きな課題を含め、やるべきことは山積みです。
 マンダムグループではCSR重要課題の設定と長期目標に向けた「考働計画」が明確で大変わかりやすくまとめられています。今回の勉強会とダイアログに参加させていただき、長期にわたり「テクノロジー」と「心」で商品開発・提供をしてこられたマンダムグループの社員の皆さまがCSR課題の理解に積極的で、様々なアイデアを出されて考働計画に取り組まれていることに感銘を受けました。オープンダイアログ形式で部門を越えて社員の方々が課題や意見を活発に話し合える企業体制と雰囲気が素晴らしいと思いました。
 サステナビリティを実現するためには、パートナーと共に推進するバリューチェーン全体におけるイノベーション、継続的な向上、責任ある行動が欠かせません。ドイツと日本では、経営、市場、規制、習慣など様々な違いがありますので、BASFジャパンもドイツ本社と同じように進めることは容易ではありませんが、民間企業、公的機関、市民組織が力を合わせるためのフレームワーク(SDGs)を元に、あらゆる分野でコラボレーションができること、そしてそれが市場での成功につながることを確信しております。


[社員コメント] 購買部 購買開発課 塩見祐子

 2018年は、1月に中国政府がこれまで世界中から受け入れていた資源ゴミの輸入を禁止したことに端を発し、大手飲食店の「プラスチック製ストロー全廃」など、社会生活における環境配慮についての意識が急速に高まった1年であったように思います。弊社のものづくりにおいても、これまで以上に環境負荷低減という視点が要求されていくでしょう。環境配慮型の原材料は、まだまだ安定供給やコスト面から課題のあるものが多いという印象ですが、今回の勉強会、ダイアログでは、これらの課題を解決するためには、企業の取組体制はもちろん、具現化のためのテクノロジーが不可欠であるということを、事例を通じてお示しいただきました。情報アンテナを常に張りながら、自身の業務を進めてまいりたいと思います。


[社員コメント] 購買部 購買開発課 江藤慎一郎

 今回、あらためて国際社会におけるプラスチック問題の高まりについて再認識することができました。弊社においても、中味成分や包装材料、生活者の手に届けるまでのデリバリーにおいても石油由来原料が使われています。安価に生産ができ、かつ高い利便性があるがゆえに、人類の発展と共に、大量生産・大量消費につながり、現在の地球上の環境問題(CO2や海洋プラスチック問題)が作り出されたとも言えます。今すぐに石油由来原料を使うことなく化粧品製造はできませんが、購買部として取引先さまと協働し、3R(Reduce、Reuse、Recycle)で一番優先されるReduce(減量)を賢く行い、さらに環境負荷が低減できる製品作りを今後行っていければと考えます。


[社員コメント] 技術開発センター 包材開発室 室長 山崎貴史

 WWFジャパンさまの「減プラスチック社会提言書」には、2030年までに「減プラスチック社会」への構造転換を図ると明記されています。プラスチックの削減には2つの目的があると考えます。CO2の排出量を減らすこと、もう1つは海洋プラスチック問題を解決すること。化粧品の包材には気密性が要求されるものがあり、紙素材などに置き換えるには何らかのコートが必要になると想定されます。目的を見失わずLCA(Life Cycle Assessment)の視点でCO2の排出量が増えないか確認していきたいと思います。また、「プラスチック廃棄ゼロ」のような挑戦的で野心的な目標を達成するためには、バックキャスティング思考と技術革新が求められます。技術革新を協力会社と協働して探求するように考働していきたいと思います。


[社員コメント] 技術開発センター 技術管理室 汐見悦志

 WWFさまの環境保護に関する広範囲の活動を基に説明いただき、サステナビリティに関する取り組み方、姿勢について大変勉強になりました。まず長期ビジョンと目標を設定、そして、それに向かって取り組みをバックキャスティングで計画し進めていく方法は、弊社の「VISION2027」のありたい姿に向けた取り組みともマッチしたアプローチ方法であり、理解できました。個々の企業単独での取り組みではなく、パートナー企業さま、そしてサプライチェーン全体へと活動が広がるよう、取り組みを進めてまいりたいと思います。


[社員コメント] 福崎工場 次長 太田旬一

 2018年4月に福崎工場に赴任して、今回、初めてサステナビリティ勉強会とダイアログに参加し、非常に勉強になりました。特に、環境への取り組みにおける工場の役割の多さと期待の大きさには大変驚きました。今後も企業活動を進めていく中で、環境に配慮した生産工場としての重要性を認識し、工場としてできることを積極的に推進してまいります。国際規格(ISO14001)の遵守をはじめとする福崎工場の環境方針に沿って環境活動を推進してまいります。また、2020年11月に予定されている福崎工場の環境に配慮した新生産棟の稼動につなげていきたいと思います。


[社員コメント] 商品企画部 大谷希理加

 業務でマイクロプラスチック課題に対応するスクラブ洗顔の開発に携わっていたこともあり、海洋プラスチック問題やサステナビリティへの関心は以前から持っていました。しかし、今回、勉強会であらためて海洋生物への深刻な被害状況や、海に廃棄されたプラスチックが分解されるまでにかかる膨大な時間(ペットボトル1本が分解されるのに400年!)などの事実を目の当たりにして、我々は個人としても企業としても、もっと真摯に、そして積極的にこうした問題に取り組まねばならないと強く感じました。今や企業の環境に対する姿勢や取り組みはダイレクトに生活者からの評価として反映される時代です。環境対応も商品の価値として生活者に届けるものづくりを行いたいと思います。


[社員コメント] 総務部 課長 渡邉善弘

 今回のサステナビリティ勉強会とダイアログに参加させていただいて、新聞報道等で知る断片的な知識を体系的に整理することができました。企業を取り巻く環境は、変化を続けており、短期的な利益追求はステークホルダーからの支持を得ることができないようになってきました。近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資という概念も広く知られてきており、企業としてサステナビリティに向けた取り組みを発信していかなければ、投資家(株主)からも支持を得られない時代になってきています。マンダムの考働原則である「社会との共存・共生・共創」を再認識する貴重な機会になりました。

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