地球温暖化防止 Preventing Global Warming

脱炭素社会にむけた取り組み

気候変動に関する取り組み(TCFD※1提言に基づく開示)

産業革命以降、特に人口が著しく増加した20世紀以降において、二酸化炭素の排出量が増加しており、その削減への対応が社会課題として認められてきております。
この二酸化炭素の排出量の増加が、地球温暖化等、気候変動に大きな影響をもたらしており、2023年3月に発表されたIPCCでの第6次評価報告書(統合報告書)で、人間の活動によるものだと指摘されている中、気候変動への具体的な対策の実行は、持続可能な社会の実現に向けて、世界が力を合わせて取り組むべき緊急の課題と認識しています。

気候変動対策が社会的課題であり、その対策の実行が求められる現在、マンダムグループでは、企業理念に掲げる「社会との共存・共生・共創」をマンダムグループのサステナビリティそのものと捉え、社会・環境課題の解決に向けたサステナブル経営(ESG経営+SDGs経営)を根幹に据え、2021年にサステナビリティ方針の策定ならびに、サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)を特定、本業を通じた取り組みにより、お役立ちの進化と企業価値の創造を目指しております。また、取り組みのより具体的な推進を図る上で、2023年に各マテリアリティにおけるKPIを策定※2致しました。

コーポレートスローガンである「BE ANYTHING, BE EVERYTHING. なりたい自分に、全部なろう。」は、ESGスローガンでもあります。
このスローガンは、人間系企業として全社員に関わるものとし、環境問題、グローバル化、多様性、アイデンティティなど、多様化・複雑化する社会課題と生活者課題の解決が難しい社会において「どれかをあきらめ、犠牲にして、別のどれかを選ぶいわゆるトレードオフの関係」ではなく、人それぞれが持つ本来の「自分らしさ」が表現できる楽しさ、前向きでいられる健康的な生活、自分らしさの表現に挑戦し続けられる持続可能な豊かな社会の実現にお役立ちをしていきたいという、マンダムの想いを表したものです。
特に、気候変動に対しては、時代を生き抜くダイナミズムと共に社会生活を送る善良なる企業市民として、また、本業を通じたお役立ちの進化と企業価値の創造に向け、より効果的な活動につなげるため、2022年度6月に「 TCFD 」への賛同を表明しました。TCFD提言の枠組みを活用し、気候変動に関するガバナンスをより強化するとともに、IPCC第6次評価報告書等、各種イニシアティブから開示されているシナリオ※3を参考に、マンダムグループにおけるシナリオ分析を行い、実施した分析に基づいた気候変動に伴って生じるリスクと機会の抽出、その財務的な影響に対しての評価を行い、取り組みを進めております。

※1 TCFD:Task force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)

◆ガバナンス

当社では、気候変動への対応をサステナビリティ経営における重要課題として捉え、マテリアリティでの取り組みテーマの一つとしております。
また、中長期目標を策定し、社長執行役員を委員長とし、経営層にて構成しておりますサステナビリティ委員会、及びその下部委員会である関連委員会にて議論し、その内容を経営会議、取締役会に諮り、実行状況の把握・審議を実施しております。

<サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)>

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<推進体制>

◆戦略(機会・リスクの分析)

気候変動課題については、温暖化防止策の状況により、さまざまなシナリオが考えられ、当社では、各種資料を参考に、代表的とされる平均気温「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」を参照し、事業経営における物理的リスクと移行リスクの検討を行っております。

「1.5℃シナリオ」は、温暖化抑止に向けて技術革新や規制強化が進み社会が変化するものとして、また「4℃シナリオ」は、十分な温暖化抑止がなされずに酷暑と激甚な暴風雨が発生するものとして、当社事業のドメインである製品を通じたお役立ちへの影響に関して、リスクと機会及び、そのインパクトをビジネスモデル/バリューチェーンを含めて分析し、積極的な取り組み、情報開示を実施して参ります。

物理的リスク 移行リスク
  • 洪水・台風等自然災害 (急性リスク) が頻発、気温・海面上昇等不可逆に変化 (慢性リスク)
  • サプライチェーンは頻繁に途切れ、調達・供給不全が随時世界各地で起こる等不安定化する
  • また沿岸・水資源僅少等エリアの操業停止や移転がナショナリズムの中で進展
  • CO2排出規制 (ハードロー・ソフトロー) が世界各地で分散強化され、伴い市場や技術が変化
  • 消費者も含めたサステナビリティ志向の浸透で各所でコスト増、または方法転換が必須化
  • 顧客が調達・生産・製造・物流・販売等あらゆる側面からの事業活動見直しに直面する

<気候変動におけるリスクと機会>

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顕在化時期について 短期:0-1年、中期:3-5年、長期:10年-

影響度について ++:大きな影響がある、+:一定程度の影響がある、-:影響が小さいもしくは、ほぼ無い

◆リスク管理

当社では、サステナビリティ委員会の元、関連委員会にて気候関連の機会とリスクに関する事業活動への影響度の検討を行った上で、グループ全体の状況把握と対応の検討を行い、サステナビリティ委員会での審議・承認、経営会議、取締役会への報告により、各重要課題(マテリアリティ)、目標に対するの進捗管理を行っております。
また、排出量の実績については、グループ全体の自社が使用するエネルギーや電力に由来とするCO2排出量(スコープ1+2)、および、日本事業におけるバリューチェーンでのCO2排出量(スコープ3)を年1回算出し、目標に対する進捗管理を行っております。※4
特に、CO2排出量に関しては、スコープ2での電力使用に由来する排出、スコープ3での原材料の調達、製品の使用による排出が大きいことが認められ、事業活動におけるリスクと機会の両面で捉え、中長期目標を策定し、使用電力の再生エネルギーへの切替や環境配慮型製品の開発に重点的に取り組んでおります。
なお、バリューチェンにおけるCO2排出量の算定・把握については、今後、グループ全体での算定・把握に向けた取り組みを進めて参ります。

<リスクと機会 影響度評価>

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◆指標と目標

当社では持続可能な社会の実現に向けて、GHG排出量の把握(スコープ1、2、3)を進めており、一段の取り組み加速が必要であると考え、策定していた長期目標に加え、その達成に向けた中期目標を2021年12月に策定、グループでの取り組みとして、2022年に実施したシナリオ分析に基づいたリスクと機会における取り組みのロードマップを策定し、その推進を進めております。

○グループでのGHG排出量削減

  • 長期目標
    2050年度において、グループ全体におけるCO2排出量の「ゼロ」を目指す
  • 中期目標
    2030年度までに日本国内+海外のスコープ1+2における CO2排出量について、「2013年度比で46%以上の削減」を目指す
    2027年度までに日本国内+海外のスコープ1+2における CO2排出量について、「2013年度比で43%以上の削減」を目指す

<関連目標>:製品での環境配慮

  • 長期目標
    2050年までにマンダムグループが販売するすべての商品を100%環境配慮製品とする
  • 中期目標
    2027年までに国内で販売するマンダム商品の90%を環境配慮製品とする

<リスクと機会における取り組みのロードマップ>

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<取り組み状況>

2023年度には、日本事業において、フィールドスタッフ体制を外部委託化したことでガソリンの使用量が減少し、スコープ1でのCO2排出量の削減(前期比 515 t-CO2減)につながりました。また、インドネシアのファクトリー1,2において太陽光パネルを稼働させたことにより、スコープ2でのCO2排出量の削減(前期比 1,766 t-CO2減)につながりました。その結果、スコープ1,2合計としては、前期比で2,281 t-CO2の減少となりました。
製品での環境配慮への取り組みに関しては、環境配慮製品の拡充を進めており、2023年度末時点で、国内で販売するマンダム製品の61.3%(2022年度実績 53.5%)が環境配慮製品となっております。また、気候変動課題に伴う外気温の上昇による市場での生活者価値の変化への対応として、自社独自技術である「Kai-tech技術」※5を活用した製品(例:ギャツビースペースシャワーペーパー頭皮用/ボディ用、マンダムハッピーデオ ボディシート うるサラ/極冷)の展開を実施しております。

※5

Kai-tech技術:皮膚感覚センサーであるTRPチャネル(トリップチャネル)の知見を活用し、より心地よい使用感を徹底追及するマンダムの独自技術

バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量の算定

マンダムでは「脱炭素社会の実現」にむけ、原材料調達から製品製造、販売、製品使用、廃棄に至るまでのバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量削減が重要であると考え、2018年度より「GHGプロトコルスコープ3基準」に基づき、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量の算定を開始いたしました。

算定対象:日本国内

算定対象期間:2023年4月~2024年3月

算定により、スコープ3で9割以上を占め、特にカテゴリー1「購入した製品・サービス」、カテゴリー11「販売した製品の使用」時における排出量が大きいことが把握できました。
今後は算定精度を向上させるとともに、上記カテゴリーの排出量削減につながるような環境配慮製品の開発などを通じ、バリューチェーン全体での環境負荷低減に努めてまいります。

福崎工場での取り組み

エネルギー監視システムと有効利用

福崎工場では、「エネルギー監視システム」の電力使用量データを毎月の所属長会議で共有し、工場各課における節電対策に活用しています。
また、空調や冷却装置に、夜間電力を熱エネルギーに転換し昼に使用する氷蓄熱システムを採用することで電力の有効利用や、空調機器の更新、照明のLED化を進めています。

エネルギー監視システム

電力使用量を監視
製造ライン別データ

新しいボイラー設備の導入とボイラー燃料の低炭素化

福崎工場では2018年11月に、ボイラー設備の移設にともなう新しいボイラー設備の導入と、ボイラー燃料を灯油からLPGへ変更することにより低炭素化を行いました。
新しいボイラー設備の稼動により、ボイラーからのCO2排出量が約15%削減されるほか、燃焼効率も向上し、大気汚染物質である硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)の排出が減少されるなどの環境負荷の低減に繋がります。また、今後の管理コストも削減されるほか、将来的には蒸気使用量の見える化を図ることにより、より有効な省エネ対策の実施に繋げてまいります。

オフィスでの取り組み

本社ビルでは、デマンド監視装置で時間帯別の電力使用量を管理し、最大需用電力(デマンド値)を抑制しています。また、照明のLEDへの切り替えや変圧器の高効率型への変更にも、継続的に取り組んでいます。
夏季(7月~9月)・冬季(12月~3月)の節電対策として、空調温度設定の徹底、空調効率を高めるサーキュレーターの活用、照明間引き、パソコンの省エネルギー設定、電気使用機器の使用停止・制限などを実施しています。
デマンド監視装置

物流・輸送での取り組み

物流・輸送によるCO2排出量を削減するために、業務の効率化や、トラック輸送を貨物列車・貨物船輸送に切り替えるモーダルシフトに注力しています。物流・輸送の効率化を目的として、2004年10月から業務を外部委託しており、姫路から九州の物流拠点までは主に鉄道貨物輸送、舞鶴から北海道の物流拠点までは海上貨物輸送としています。
トラック輸送においては、積載率を限りなく100%に近づけるよう継続して努めております。

再生可能エネルギーの活用「福崎工場・インドネシア工場太陽光パネルの設置」

マンダムは、2050年度においてグループ全体におけるCO2排出量を「ゼロ」とするカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでおります。再生可能電力の利用は、脱炭素社会の実現に向けて重要なアプローチの一つと位置付け、2021年9月に竣工した福崎工場の新生産棟の屋上には1,728枚の太陽光パネルが設置され、晴天時には最大500KWの自家発電を行っております。また、2022年4月からは本社ビルが調達する電力をすべて再生可能電力に切り替えております。

海外においても、インドネシア工場屋上に太陽光パネルを設置して、稼働しております。ファクトリー1(完成品充填工場)は2023年5月稼働。ファクトリー2(容器工場)は2023年4月稼働。晴天時には最大1,100KWの電力自家発電が実現しております。

福崎工場
新生産棟屋上の太陽光パネル
ファクトリー1(インドネシア)
工場屋上の太陽光パネル
ファクトリー2(インドネシア)
工場屋上の太陽光パネル