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ステークホルダー・ダイアログの取り組み 2017.06.07

「パリ協定・脱炭素社会の実現にむけた企業の対応」についての自主勉強会とダイアログを開催しました。

 2017年4月27日(木)、日経BP社 副編集長 日経エコロジー 編集の馬場未希さまにご協力をいただき、「パリ協定の発効後、グローバル企業はどう動いているか」をテーマにしたご講演と、環境推進委員会・分科会メンバーを中心とした選抜社員とのダイアログ(対話・意見交換)を開催しました。

 わたしたちは、多様で幅広いステークホルダーの皆さまからの期待や要請を事業活動に反映させるため、マンダムグループCSR重要課題のテーマに基づき、有識者や研究者など社外の方々にご協力いただき、勉強会やダイアログを実施しています。
 今回の取り組みは、以下のマンダムグループCSR重要課題、およびグローバル企業として尊重すべき国際行動規範や社会の持続可能な発展にむけた国際社会の枠組みを踏まえて開催しました。

 

~マンダムグループCSR重要課題~

課題No.06: 製品・サービスの環境配慮
課題No.07: 脱炭素社会にむけた取り組みの推進(第2版:2017年2月改訂)
課題No.13: 新しい社会のパラダイムの感知と貢献

 

~国連グローバル・コンパクトの10原則~

原則7: 環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持すべきである。
原則8: 環境に関するより大きな責任を率先して引き受けるべきである。
原則9: 環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。

 

~アジェンダ2030 「持続可能な開発目標(SDGs : Sustainable Development Goals)」~

目標12: つくる責任つかう責任 「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」
目標13: 気候変動に具体的な対策を 「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」

 

[背景と目的]

 2015年11月30日から12月13日までパリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)にて気候変動抑制に関する多国間の新たな国際的な枠組みである「パリ協定」が採択され、その後、各国が批准の手続きを完了し、2016年11月4日にパリ協定が発効されました。

 マンダムでは、2017年2月に開催したCSR推進委員会にて、CSR重要課題(初版14項目)の進捗状況を確認するとともに、国際社会の最新動向を踏まえたテーマの見直し(第2版)を行い、長期目標の設定と今後の考働計画を決定しました。
 ただし、グローバル企業として実効的にCSR重要課題を推進するためには、わたしたちを取り巻く社会・環境課題を、全社員が地球規模の視点で捉え、自分ごと化して理解しなければなりません。
 また、ある有識者の言葉を借りれば、長期的に企業が健全な成長を持続しながら社会から支持され続けるには、未来から選ばれる企業としての「品格」を経済・社会・環境の三位一体で考え、体現し続けることが必要です。
 特に、パリ協定を中核とした気候変動対策は、社会から期待・要請される企業対応の範囲も広いほか、最近のESG投資の拡がりでも確認できるように、社会的責任を重視する投資家の皆さまからも注目されているテーマです。

 以上を踏まえて、今回は、数多くの取材活動や経済産業省の海外展開戦略タスクフォースメンバーなどのご経験を通じて、パリ協定や企業の取り組みについて詳しい日経BP社の馬場未希さまにご協力をお願いし、自主勉強会とダイアログを開催しました。


[馬場未希さまプロフィール]

日経BP社
副編集長 日経エコロジー 編集
2015年11月30日から12月11日までパリで開催された「気候変動枠組条約 第21回締約国会議(COP21)」では、日経BP社のCOP21特派員として現地を取材。
約15年の記者生活を通じて、さまざまな企業を取材されたほか、経済産業省「海外展開戦略タスクフォースメンバー」として、政府・官庁の取り組みにも協力。


[自主勉強会について]

 マンダムでは、社員が自主的に設定したさまざまなテーマで自主勉強会を開催しています。今回の取り組みでは、より多くの社員に受講を促すため、この自主勉強会の枠組みを活用して馬場さまによる講演を開催したところ、当日は140名以上の社員が参加しました。
(事前参加希望調査 144名:本社113名、福崎工場8名、青山オフィス23名)

 

~ご講演の主な内容~

  1. 温暖化対策とはなにか
  2. 世界で取り組む温暖化対策
  3. グローバル企業の動き
  4. グローバル企業に求められる対応
  5. B to C企業に求められる対策の例

 温暖化の主な原因は、温室効果ガス、特にCO2の排出であり、CO2の削減には、「化石資源の使用を減らすこと」と「森を育てながらうまく使うこと」の2つの対応が必要であり、これからの企業は、事業活動の全体を通じて、(1)省エネをする、(2)再生エネルギーを使う、(3)石油、石炭、ガスの使用量を減らすという3つの取り組みを推進しなければなりません。

 特に、わたしたちのような化粧品や日用品などの製造・販売業では、(3)石油の使用量を減らすために、製品の中味や容器・包装、物流資材や販促物などで使用される石油由来の原材料を減らすこと、そして、消費者との強いチャネルを活かしてエコ・プロダクツの価値を消費者に伝え、消費者と一緒にステップアップを図ることが、今後のコンシューマ・グッズ・メーカーの重要な取り組みとして解説されました。

 また、企業として取り組みを推進するには、まず自分たち(経営者と従業員)が「どんな企業になりたいか」を決め、「等身大の自分」を知り、「目指す企業像」と「社会からのニーズ」とを照らし合わせ、「改善したいところを探す」ことが必要であり、自社の事業や製品のライフサイクル排出量を「見える化」させて全社・各事業部で対策を検討すべきと、スコープ3の取り組みの有効性について示唆されました。

 パリ協定や脱炭素社会の実現など非常に難解なテーマをご依頼させていただいたにも関わらず、馬場さまからのわかりやすく丁寧な解説、国内外の先進企業による優良事例や具体的な取り組みの紹介を数多く盛り込んでいただき、非常に有意義な自主勉強会になりました。

[ダイアログについて]

 自主勉強会の終了後、馬場さまを囲んで、以下の選抜社員のメンバー(10名+オブザーバー6名)によるダイアログを実施しました。

 

~ダイアログ社員参画メンバー~

  • 北村 達芳 (オブザーバー/取締役 専務執行役員)
  • 椿原 操 (オブザーバー/執行役員 技術開発センター研究所長)
  • 内山 健司 (オブザーバー/執行役員 GBマーケティング本部長)
  • 隈元 義春 (オブザーバー/福崎工場 次長)
  • 前川 貴志 (オブザーバー/CSR推進部 部長)
  • 米田 実 (オブザーバー/CSR推進部 CSR推進室 室長)
  • 汐見 悦志 (技術開発センター 技術管理室)
  • 蓮池 和夫美 (商品戦略部 課長)
  • 山口 寛 (商品戦略部)
  • 村治 得人 (購買部 部長)
  • 塩見 祐子 (購買部 購買開発課)
  • 木田 厚 (総務部 部長)
  • 内田 典克 (福崎工場 生産業務課)
  • 山崎 貴史 (技術開発センター 包材開発室 室長)
  • 豊永 雅士 (CSR推進部 CSR推進室)
  • 西山 掌 (ファシリテーター/CSR推進部 CSR推進室)

 ダイアログでは、参画メンバー各自から前半の自主勉強会の内容を受けての感想やコメント、質問点などを述べ、馬場さまからコメントをいただく形で進めました。

 総務部と福崎工場からは、ここ数年で行った本社や工場での設備投資や最新機器への入れ替えなどが消費電力(スコープ2)の削減につながった状況を説明した上で、今後、さらなる電力消費や化石燃料の使用量の削減につながる取り組みや考え方について説明しました。なお、オフィスビルや工場などにおける再生エネルギー(RE)の使用については、最近のグローバル企業によるRE100の取り組みを例として解説され、自社での太陽光発電の設備投資では物理的にも限界があるため、現時点ではグリーン電力証書の活用が現実的ではないかとのアドバイスをいただきました。

 その後、事業活動や製品のライフサイクルの全体(原材料の調達から商品の使用時、使用後の廃棄まで)を通じたCO2排出削減など「スコープ3」についての話題になりました。
 マンダムでは、紙パックやパウチによる詰め替え商品、環境負荷の低減とコストダウンを両立させた容器や梱包材の減量、モーダルシフトなどの取り組みを早くから推進してきましたが、生活者による製品の使用時や使用後の廃棄までのCO2排出量の算出やバリューチェーン全体でのCO2排出削減の取り組みまでには至っていませんでした。
 2017年2月に見直したCSR重要課題(第2版)の考働計画でも「スコープ3の算出」を盛り込んでいますが、今回のダイアログにより、その重要性を参画者一同で改めて確認しました。

 また、今回のダイアログを通じて、広い視野でCO2削減を捉えて取り組みを考えること、そして、コミュニケーション活動を通じた生活者への情報提供の重要性についても学ぶことができました。たとえば、「ギャツビー パーフェクトクリアシャンプー」は、「整髪料を一度で洗い落とす」という機能を訴求しています。水の使用量の削減はCO2削減にもつながり、こうした「ストーリー」、「技術力」、「快適さ」の3つの要素を兼ね備えたエコ・プロダクツの情報を生活者に伝えることで、社会全体の倫理的(エシカル)消費や環境意識の啓発を図ることも企業の社会的責任の一つであるとの示唆をいただきました。

 最後に、参画者からの意見や悩みとして一番多かったのが、環境活動とコストとの両立についてでした。環境取り組みがコストアップにつながる場合、現場担当のレベルでは判断が出来ないといった、いわゆるトレードオフの問題でした。馬場さまによると、「環境先進企業として名高い企業でもコストが合わない取り組みをするのは稀であり、多くの環境取り組みはコストダウンなど経済的なメリットも両立させながら実施しています。大切なのは、考えることを止めずに安くできるような仕掛けをつくりながら、やれることから確実にやっていくこと。また、初期投資のコストのみで判断せず、今後のランニングコストの削減、エコ・プロダクツとして市場や生活者からの支持など、長期的な視点での判断が重要」とのことでした。


[馬場未希さまコメント]

 ダイアログに出席された社員の方の真摯な様子に圧倒されました。役職や職掌、世代を問わず、会社と自分たちの製品を愛し、同時に地域や地球の環境をどうしたら守れるのかについて、真剣に考えていることが感じられ、大変感銘を受けました。
 2015年に国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が開かれ、国際社会が2020年以降の温暖化対策を定めた「パリ協定」に合意しました。この協定は、各国・地域政府が取り組む温暖化対策をまとめた内容ながら、世界中のあらゆる業種の民間企業がこの協定の精神に共鳴し、自ら積極的に対策に取り組むことを表明しています。米国政府がパリ協定からの離脱を表明しようとも、世界の企業の歩みはとどまることがないでしょう。
 こうした国際動向をダイアログ出席者の方と共有しながら、日頃のものづくりの現場において、あるいはお客さまの手に渡った製品が、世界の温暖化防止の歩みにどのように貢献できるのかについて活発に議論しました。工場の省エネ、水使用量などの環境負荷を抑えられる洗髪料の開発、容器包装のコンパクト化などを通じた自分たちの取り組みを、いっそう進化・深化させるためのアイデアがたくさん飛び出しました。また、取り組みを進める上での率直、真摯な悩みや疑問を多数、共有できました。
 いずれもすぐに実施できるアイデアや、解決できる課題ではないかもしれません。とはいえ、温暖化対策というテーマをマンダムの成長の機会やリスクと捉え、これからも社内で、積極的な議論と取り組みがなされることを期待します。


[自主勉強会とダイアログを終えて]

 昨年(2016年5月)に開催した消費者課題についてのダイアログの中でも、高い品質と安い価格(コストダウン)とのトレードオフの悩みが多く出ましたが、有識者としてお招きした同志社大学大学院の藏本教授より、「技術力・開発力の持続的な向上」、「風通しの良い企業風土」、「消費者を最重視した判断ができる人財の育成」、「消費者団体との積極的な交流」、「消費者教育への貢献」など、トレードオフの壁を突破するためのアドバイスをいただきました。
 今回の自主勉強会とダイアログを通じて、馬場さまからアドバイスをいただいた「売れる・評価されるエコ・プロダクツに必須な要素」である「ストーリー+技術力+快適さ」を追求する取り組みも、トレードオフの思い込みによる思考停止に陥らないためのポイントだと理解しました。

 今後も、未来に選ばれる企業としての「品格」を追求しながら、「経済・社会・環境の三位一体」の実現にむけて、CSRの推進に努めてまいりたいと思います。

 最後になりましたが、日経BP社の馬場さまを始め、今回の自主勉強会とダイアログの実施にむけてご協力いただいた全ての皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。

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