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TRP CHANNEL LABTRP CHANNEL LAB

Illustration: TAROURYU

涙と汗は同じ成分で
できている?

涙は何からできているのでしょう。実は、涙のもとは血液。涙は血液から赤い色(ヘモグロビン)などを抜いた血漿(けっしょう)といわれる透明な液体からできています。涙は透明な血液だった、というわけです。“血の涙”は常に流れていたんですね。では、汗はというと、汗も同じ血漿からできています。でも、血漿に含まれる大事な成分をダラダラ放出しないように汗を出すときに成分をろ過するため、厳密には同じ成分ではありませんが、どちらも体にとって重要な働きをするために血液から作り出されているのです。

TRP(トリップ)チャネルが
暑さを感知すると
脳から指令が出て……

涙は、悲しいときやうれしいときに流れ出るものというイメージがありますが、常に分泌されていて、目を細菌や紫外線から守ったり、目の表面への栄養を補給したりしています。一方、汗の最大の役割は体温の調節。気温が高くなり暑いと感じたときに体温を下げるために汗をかきます。

その暑さを体がなぜ感じるかというと、実はTRP(トリップ)チャネルという温度を感じる感覚センサーが、私たちの体の細胞に備わっているから。暑さを感知すると、脳は汗をかいて体温を下げるように指令を出すのです。

涼しさはというとTRP(トリップ)M8(エムエイト)というセンサーが感知して、脳に知らせることで私たちは涼しいと感じています。真夏の暑い日に、外にいて汗をかくときと、冷房の効いた室内で涼しく感じるときは別のTRPチャネルが反応しているのです。

鼻に水が入ると「ツーン」と
するのは
TRPチャネルが
危険を知らせている証

ちなみに、鼻水は涙とまったく同じ成分。鼻の奥にウイルスや花粉などの異物が侵入したときにそれを体の外に追い出そうとして流れるのが鼻水です。くしゃみも鼻水も鼻づまりも、異物の侵入から体を守るための防御反応なのです。

そういえば、プールの水やお風呂のお湯が鼻に入ったときに鼻の奥が「ツーン」としますよね。これも体に備わった感覚センサーTRPチャネルのせい。体液とは異なる塩分濃度の水が侵入すると細胞が危険にさらされるため、痛みで知らせて体を守ろうとするのです。

このときに反応するのはTRP(トリップ)A1(エーワン)。ワサビを食べたときの「ツーン」とくる刺激もワサビが同じTRPA1を刺激することで起こります。あるテレビ番組でもとり上げられましたが、このプールの「鼻ツーン」の謎はマンダムの研究でわかったことなんです。