TOPサステナビリティサステナビリティニュース2017年日本防菌防黴学会 第44回年次大会に参加しました。

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消費者課題 製品の安全・安心への取り組み2017.12.21

日本防菌防黴学会 第44回年次大会に参加しました。

 2017年9月26日(火)~27日(水)に開催された日本防菌防黴(ぼうきんぼうばい)学会 第44回年次大会にて、防腐剤を配合していく上で必要不可欠な、防腐力を測るための試験方法に関する研究成果を3件発表しました。

 日本防菌防黴学会は、「衣食住に関連する微生物及びそれに由来する物質を制御し、生活環境及び生産環境の向上を図るため、専門領域の異なる研究者、技術者の交流・情報提供により総合研究体制を確立し、科学・技術の発展に貢献することを目的とする」学会で、幅広い分野、機関の研究者や技術者が所属しています。今回の学会には900名以上が参加しました。

 

参考:日本防菌防黴学会ホームページ
 

 化粧品と微生物には深い関係があります。化粧品の中で微生物が増えてしまうと、品質劣化だけでなく肌荒れや炎症などの皮膚トラブルにつながる恐れがあります。そこで、使い始めから使い終わりまで安全・安心にご使用いただけるよう防腐剤を配合しています。しかし、防腐剤も過剰に配合すると皮膚トラブルにつながることがあるので、防腐剤の適切な種類と量を選択し、製品の“防腐力”を設計しています。今回は、防腐剤を配合していく上で必要不可欠な、防腐力を測るための試験方法に関する研究成果を3件発表しました。 

 

 ~マンダムの発表内容~

1.化粧品保存効力試験にかかる時間の短縮化

 保存効力試験は製品を使いきるまでに腐らないことを評価するために必要な試験であり、検証の一つとしてカビ(Aspergillus brasiliensis)を使用します。カビは生育が遅く、数を測定する(生菌数測定)だけで3~5日を要しますが、この期間を2日に短縮することに成功しました。迅速な結果の取得は確実な微生物学的品質保証につながります。

 

2. 化粧品保存効力試験の精度向上につながるノウハウ

 カビを試験菌種に用いた保存効力試験では、さまざまな試験条件(培養条件や調製条件など)のばらつきが最終的な試験の精度に影響をおよぼします。今回は、そのばらつきの原因の一つとなるカビの培養温度条件と試験に用いるカビの生育状態を検証し、試験精度の向上につなげました。

 

3. クレンジングシートで防腐力が下がる原因を解明

 化粧品は不織布に含浸すると防腐力が低下するケースがあります。今までは防腐力低下の原因が分かっていませんでしたが、今回の研究で、不織布により微生物が活性化し、一部の菌種では防腐剤に対する抵抗性が変化することを明らかにしました。この技術は将来的にマンダムのクレンジングシート製品の防腐剤やアルコール量を減らす技術に応用されることが期待されます。

 商品を安全・安心に、また快適にお使いいただくために、化粧品における微生物制御技術は重要な位置付けになっています。マンダムでは、今後も生活者の皆さまにご満足いただける製品開発にむけた技術開発を続けてまいります。

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